生命の樹の謎を解け
生命の樹とは、旧約聖書においてはエデンの園の中央に植えられたとされる伝説の樹。
その実を食べれば神のごとく永遠の命を手に入れることができるという。
ユダヤ密教カバラにおいては、セフィロトの樹とも言われ、かなり複雑怪奇な思想体系として様々な解釈が成される。
ちなみにアダムとイブが知恵の実を食べてエデンの園から追い出されたという逸話は、あまりにメジャーなのに対して、この生命の樹については、あまり語られることがないのは、それが「重要」だからである。
ちなみに生命の樹は、天から地に向かって逆さまに生えている絵がよく散見される。
果たしてこれは何を意味しているのか。「善悪知る樹」と「生命の樹」は対になる思想なのだろうなということは何となく想像がつくと思う。
さて、仙道や気功の修行者なら、「識神」と「元神」という言葉を知っていると思う。
「識神」とは知識や経験といった後天的に身につく思考や性質、顕在意識などを指し
「元神」とは人が生まれながらに持っている感覚、自律神経の働き、潜在意識などを指しているのだが、おそらくこれが、それぞれ「善悪知る樹」と「生命の樹」に対応していると思われる。
気功の本には、瞑想によって、「識神」を追い出し、「元神」に意識の座を明け渡せと書いてある。
仙道の究極目的は、不老不死になり、最後は虚空へと消え大自然、宇宙と一体化するという壮大なものだが、その手前で「子供の体に戻る」というのがある。
あの有名な魔術師サンジェルマン伯爵でさえ、「老化を止めることはできても若返るのはちと難しい」と言ったほどなので、仙道は、西洋魔術をも超える魅力があるのだ。
一応、西洋魔術やカバラの本にも、「中央の柱」という行法があって、これが小周天の代わりみたいな感じで載っているのだが、いかんせん、イメージだけでやる行法なので実感が伴いにくい。呼吸法にしても、「ボックス呼吸法」があまりにも、普通の呼吸法すぎて、続けるモチベーションが保てないのである。
さらに、細胞生物学の用語に「エピジェネティクス」というのがある。これはDNAは
環境や思考の影響を受けて変化する、ということを言っていて、ようやく科学とオカルトの接点らしきものが俺の中で見えてきた。
仙道の「錬精化気」とは、精を練って気に変えるということ、精とは精液のことだけではなく、精力のこともさしているので、とにかく元気な状態を言っている。
そしてこの精を気に変えるのだから、セックスやオナニーをしてはいけないのは明白であろう。これから気に変えようというのに、体外に出している場合ではない。
外に飛び出そうとしているものを、内側に引き戻す、それが仙道の「錬精化気」だ。
実は、アダムとイブが知恵の実を食べた、という表現は、実はセックスをしたという
意味だと解釈する人もいる。セックスをしたら永遠の命は手に入らない、ということ。
実際、気功用語でも、性生活の経験者を「漏体」と呼ぶのだが、「漏体」というのは
「元精」が漏れ出した人間のことを言っており、生命エネルギーの根源が漏れてしまっていることを言っているのだ。
なので非童貞は、童貞に比べて気がたまりにくい。ただ精力が有り余っている人なら
問題ないだろう。ただ普通の人や、精力の弱い人は、かなりマイナスからのスタートとなってしまう。なので童貞は恥ずかしいから、風俗や出会い系の行きずりの女でさっさと済ませてしまおうなんてのは、仙道的にはナンセンスとしか言いようがない。