体内の気を一周させる小周天とは
仙道修業を始めた者が、まず最初に完成させなければならないとされているのが
体内の気を前面から背面までぐるりと一周させる「小周天」という秘技だ。
やり方はまず、体のどこか一点に気を発生させる。とまあ、これがいきなり難しいのだが、仙道の解説書には割にさらっと書いてある。
仙道の第一段階に「築基補漏(ちくきほろう)」というのがある。
ざっくり言うと、体を多少鍛え、よく寝て、よく食い、オナニーやセックスするな、ということだ。まず体が完全な健康体でなければ気を発生させるどころではないのだ。
たぶん、この段階で鼻くそほじる暇もないほど忙しい現代人にとっては厳しい。
俺の場合も最近まで休日は一日中寝てなければいけないほど疲れていたし、体力を完全に回復させるというのが、すでに無理、という人も多いだろう。
それでもどうにか体力を全回復させたなら、今度は気を溜める。間違っても遊びに行ったり、女とやったりしてはいけない。気を溜めるチャンスを逃してしまう。
気を溜める方法は、「調息(ちょうそく)」からの「武火呼吸(ぶかこきゅう」が
一般的だが、他にもいろいろ方法はあるらしい(腹を高速でベコベコ動かすとか、お灸を使うとか)
とにかく、なんらかの刺激を与え続けるということだ。
横隔膜を上げたり下げたりすることで、呼吸量が増えるだけでなく、内臓が動くことで胃腸の動き等も活発になるし、横隔膜そのものも鍛えられる。
通常、早い人なら3か月くらいで下丹田あたりに気を感じるようになるらしいので、
この気を武火を送り、あふれさせる。そうすると下の方に流れていくらしいので、どんどん気を送り、会陰から尾てい骨、背骨、と気の塊を流して、最後にスタート地点に戻すという。これが小周天だ。
ちなみに童貞のほうが気は溜まりやすいらしく、童貞は捨てるものじゃなく守るものというのは仙道的には正しい。ちなみに俺ももちろん童貞だ。次回は、呼吸量を上げる方法を解説する。