一番大事なのは「意識」と「リアリティ」

食生活や健康法などだけでは到底、ただのちょっと見た目が若い人どまりが関の山。

実をいうと、そういった表面的なものよりも、一番大事なのは「意識」なのである。

つまり普通の人間は、常識というものに囚われているので、深く思考することもない。

歳をとれば老けていくのは当然だ、これくらいの年齢ならこれくらいの見た目だろう、っていうのを、自分で無意識に設定している。だから「実際にそうなるのだ」

私は見た目が異常に若いので、初めて会う人に自分の年齢を言うと大抵驚かれるか

もしくは冗談を言っているとしか思われない。

それは私が、「少年としてのアイデンティティ」を保ち続けていられているからだ。

つまり、そういう「意識状態」でいることと、「主観」と「客観」が一致していることが大事。たとえば、イケメンかどうかっていうのも、自分でかっこいいと思ってて、さらに周りの人からも、かっこいいですねとか、言われたなら、主観と客観は一致する。ブサイクが、自分ではかっこいいと思い込んでるとしたら、ただの痛い人だし、おばさんが若い娘のようなファッションをしてるのも痛い。これは主観と客観が一致してないためで、メタ認知能力が低いのである。他にも弱いくせにケンカを売って返り討ちにあうとか、逆に強いくせに弱い人間にびびっているのもメタ認知能力が低い（ただし周りとの調和を重んじる人は、自分のほうが強くてもトラブルを避けて折れる場合が多い）

イケメンかどうかとか、あるいは若いかどうかってのは、周りから見て、どう見えてるかってのが大事で、自分で勝手に思い込んでたらただの狂人だ。

ただ、アイドルやなんかでも、１００人中、１００人に「イケメンだ、美人だ」と認められるということはないし、ただ商売として成り立っているからには例えば１００人中７０人とか８０人くらいに、そう思ってもらえばいいのだ。

生まれたばかりの赤ん坊を見て、「これは老人である」と思う人はいないだろう。１００人中、１００人が、赤ん坊を見れば赤ん坊と思う。逆に１００歳の老人を見て、「これは赤ん坊」であると思う人もいないだろう。つまり１００人中、１００人が、老人を見れば老人と思うわけだ。つまり抽象的でない、抽象度が０ということ。

赤ん坊は主観的に「私は赤ん坊である」と認識しているかというと、まだ自我意識もないのでそういう次元ではない、老人の場合は、主観的に「自分は老人である」と認識していて、客観的にも「この人は老人である」と認識されている。主観と客観は一致する。

そして赤ん坊は見た目では性別が男か女かよくわからない、あそこを見るか、親に聞かないとわからない、つまり性別の抽象度が高いということになる。老人の場合も、もう死ぬ直前まで老け込んでくると、やはり男か女かよくわからなくなる、これも性別の抽象度が高いということになる。年齢という観点では抽象度が最も低く、性別という観点では抽象度が最も高いのが赤ん坊と死ぬ寸前の老人、ということだ。

俺の場合は、子供からおっさん、おじさんと呼ばれたなら、もうそれは完全に正しい認識だと思ってるし、あるいは女子中学生、女子高生から恋愛対象として見られなくなったときが、客観的に、つまり本当に老けたのだなと、自分としても実感せざるを得ないと思う。逆に言えば、そうでない限りは、いくら年齢を重ねても、老けてないのだ。

大人の場合は常識という色眼鏡、フィルターがかかっているので、あまり何を言われても大して気にならない。特に４０代後半以降のおっさんともなると、２０歳と３０歳の区別もよくわからないらしい。これはおばあちゃんとかが、あれは５年前のことか３０年前のことか・・とか言ってるのを思い出してもらえればわかるが、時間軸が乖離してくると、同一線上に見えてくるのだ。お空のお星さまも、遠い星も近い星も全部同じに見えるように。

あとは大事なのが、そのことに対して「リアリティを持てるか」である。

つまり「歳を取れば老けて死んでいく」ことにリアリティを感じているなら実際にそうなる。それは自分で自分に死ぬ命令を下しているからだ。

だから、歳をとっても見た目は若いままで死なない、と自分で思い込んでて、それにリアリティを感じていなければならない。

表面的に信じているのでは全然だめで、心のどん底から信じていなければならない。

そのためには、周りにも認められなければリアリティは高まらない。悪意に満ちた嫌味や、思い込みによる言葉ではなく、純粋な思い、と考えられる言葉は、子供のものしかあり得ないし、少女の恋心も、純粋な感情である。だから俺の中のリアリティが補完される。